- 概要
- 主催:岡垣国際交流協会
- 日時:2014年(平成26)11月24日(月)
- 場所:芦屋釜の里(福岡県遠賀郡芦屋町大字山鹿1558―3)
会場では紫砂茶器が出来るまでの工程や泥の成分、中国10大銘茶などのパネルを展示されました。また、著名な書道家の書いた書を持参され、会場の雰囲気を盛り上げました。
茶は宣興の太華山で栽培された紅茶「乾紅早春茶」という銘柄のものを使用し、紫砂茶壺でいれた茶を提供しました。早春茶という名のとおり通常より早く採茶した新芽のみを使用しているのだそうです。日本の皆様に是非この紅茶を味わって頂きたいと紫砂茶器一式持参され、本場の味を再現しました。世代を継いで大切に使われる茶壺(ちゃこ)に感銘を受けました。
台湾茶席
かの有名な勝海舟も愛したといわれる佐渡「無名異焼」新潟県佐渡島、佐渡金山の朱泥(赤土)で作られています。宣興の紫砂茶壺とよく似ています。文化の歴史を感じます。
鮑 亚琴(ホウエキン)氏
中国江蘇省宣興市在住で美にとても関心があり現在は紫砂工芸品や書の他工芸美術品を取り扱っている会社の社長で茶に関しても造詣が深い方です。
紫砂の茶器
中国は上海の西に、江蘇省宜興(ぎこう)という町があります。紫砂茶壺(しさちゃこ)という伝統的な急須作りの町であり、紫砂と呼ばれる泥土”5色の土”を産出しています。製陶業が盛んで「陶郡」とも呼ばれているそうです。茶の本当の色、香り、味を引き出すことができる茶器は紫砂茶器が最高であると称されています。茶器には細かい気泡がありこれを「気孔」と呼びます。
気孔を持つ紫砂茶器の特徴
吸水率があるので味がまろやかになり、茶の美味しさを引き出し、熱の伝導性が低く保温性に優れています。お茶の悪い部分「渋みなど」を吸収し、茶壺を育てる楽しみ※「養壺やんふう」も紫砂茶器の魅力です。
中国江蘇省地図
江蘇省宣興市の位置
中国茶席
中国雲南省少数民族ペー族がお客さんをもてなす時に出すのがこの三道茶(さんどうちゃ)というものです。「一苦、二甜、三回味」と言い、大一道「一杯目」のお茶ややや苦みがあり人生の辛さや厳しさを表現しています。第二道「二杯目」のお茶は甘い香りと味がし、人生の喜びや幸せを意味しています。第三道「三杯目」のお茶は甘さと辛さが混じり、今までの人生を振り返り辛かったことや楽しかったことや楽しかったことを思い出し、茶をいただくというものです。当日は雲南大学日本語学科の教授、張先生が流暢な日本語で説明してくださいました。
「熱心に茶杯の中の材料を見る来賓」
中華人民共和国駐福岡総領事館
右から二番目 韓 領事
左から二番目 張 領事
材料
一苦 :茶葉
ニ甜 :黒砂糖、クルミ、乳扇、白ゴマ
三回味:蜂蜜、山椒、生姜、シナモン
日本茶席
お茶にまつわる話
そもそもお茶の原産地は中国の西南部、雲南省を中心とする地域と考えられています。今でも雲南省へ行くと樹高20メートルを超える巨大な茶の木「茶樹王」が残っています。後述する朱磚茶(こうだんちゃ)についてですが、日本でも明治から熊本県宇城市小川町なので朱磚茶が生産されたロシアなどへ輸出していました。
中国リス族の民族衣装を着て受付をする会員
日本で生産された朱磚茶(こうだんちゃ)
※プレスされて文字はキリル文字の「K・O・T」
韓国茶席
韓国茶席では、韓国河東茶人協会 会長のユミヒョンさん、カクドゥルジョンさん、チョンスジさんの3名が来日しました。韓国の民族衣装(チマチョゴリ)に身を包み、河東野生緑茶と、一つ一つ手作りだという伝統茶菓子(韓菓ハンガン)をお出ししました。お茶は色が薄いものの、香りがとても良く、韓菓はまるで宝石箱のようでした。
韓国慶尚南道河東(ハドン)郡紹介
河東郡は慶尚南道の西南に位置し、お茶と文化の香りが感じられる場所で、毎年5月には河東野生茶文化祭が開催されています。
◆ 最後に◆
茶葉古道茶会を芦屋釜の里で2014年11月24日(月)に開催しました。多くのお客さまにご来場いただき誠にありがとうございました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。